調停で決まった養育費を払わないとどうなる?

調停で決まった養育費を払わないとどうなる?

調停で決まった養育費を支払わない場合、その行為にはいくつかの重大な法的影響が伴います。
養育費は、子どもの生活を支えるための重要な資金であり、法律によって保護されています。
そのため、養育費の支払いを滞らせると、次のような様々な手続きやペナルティが発生する可能性があります。

履行勧告(りこうかんこく)

養育費の支払いが滞った場合、支払いを催促する「履行勧告」を行うことができます。

履行勧告は、養育費の支払い義務がある人に対して、速やかに支払うように勧告するものであり、相手(養育費を受け取る側)の申立てに基づいて行われます。

履行勧告には強制力はありませんが、無視すると相手が次の段階に進む可能性が高まります。

この段階で問題を解決することができれば、より深刻な法的措置を回避できる可能性があります。

強制執行(きょうせいしっこう)

履行勧告を無視しても支払いが行われない場合、相手は「強制執行」という手続きを取ることができます。

これは、裁判所を通じて、支払うべき養育費を強制的に回収する方法です。

強制執行の具体的な手段としては、以下のようなものがあります。

  • 給与の差し押さえ
    養育費を支払わない側の給与を直接差し押さえ、給与の一部から養育費を天引きする方法です。
  • 預貯金の差し押さえ
    支払い義務者の銀行口座にある預貯金が差し押さえられ、その中から未払いの養育費が回収されます。
  • 動産・不動産の差し押さえ
    より高額な養育費の未払いがある場合、差し押さえの対象は、動産(車や貴金属など)や不動産(家や土地)に及ぶこともあります。
強制執行を受けると、経済的な打撃だけでなく、社会的な信用にも悪影響を与える可能性があります。
この手続きは、調停調書や判決などで養育費の支払いが確定している場合に行われます。

遅延損害金の発生

養育費の支払いが滞ると、支払われなかった金額に対して「遅延損害金」が発生することがあります。

遅延損害金は、遅れた期間に応じて発生するもので、一般的には年率3%の法定利率が適用されることが多いです。
このため、支払いが遅れるほど、養育費の総額が増加し、後々大きな負担となる可能性があります。
遅延損害金は、通常、元の養育費の支払いに加えて請求されるため、未払いを放置するほど負担が増大します。

最後に

調停で決まった養育費を支払わない場合、その影響は非常に大きく、法的手続きが進むごとに問題が深刻化します。
履行勧告や強制執行、遅延損害金の発生、さらには法的措置など、様々なペナルティが考えられます。
養育費の支払いが困難な場合でも、家庭裁判所に相談し、適切な手続きを踏むことが最善の方法です。
無視して問題を先延ばしにすると、将来的に大きな負担や法的トラブルに発展するリスクが高まります。